2029年。とある研究施設より一人の実験体が逃走を図る。 実験体のコードネームは“スクルージ”。失敗作の強化ゲノム能力者である。 自らに施された“力”によって、追っ手の命を奪いながら逃走を続けるスクルージ。そんな脱走の最中、彼は不思議な雰囲気を持つ実験体の少女、キャロルと出会うことになる。 しかし、スクルージには更なる追っ手が迫っていた。それは、同じく施設の実験体であり、スクルージのように特殊な“力”を操る3人の“ゴースト”。 絶体絶命な状況に陥るスクルージだったが、キャロルはそんな彼の右手に、おもむろに手を伸ばす。 「スクルージ。わたしを、つかって。こわれるくらいに。メチャクチャに」 スクルージの右手を自らの胸元に引き寄せるキャロル。次の瞬間、眩いばかりの光とともに彼女の身体から引き出されたのは、異形の武器であった。 はたして、その右手に宿る“力”とは──。