森田芳光監督の名前と才能を一躍知らしめた商業映画デビュー作「の・ようなもの」の後日談を、森田監督ゆかりのスタッフ・キャストが結集して描いた魅力作。「家族ゲーム」や「阿修羅のごとく」等、数多くの秀作を放って日本映画界に新風を吹き込んだ後、2011年、61歳で惜しくも急逝した森田監督。その人柄と才能を惜しんで、本作には森田監督ゆかりのスタッフ・キャストが一堂に集結。彼の遺作となった「僕達急行 A列車で行こう」の松山ケンイチや、「間宮兄弟」で映画デビューした北川景子をはじめ、「の・ようなもの」の伊藤克信や尾藤イサオ、でんでん、さらには、鈴木京香、仲村トオル、宮川一朗太らもゲスト出演して、豪華多彩なオマージュ作品に仕上がった。 東京の下町、谷中。30歳で脱サラし、師匠・出船亭志ん米の自宅に住み込み落語の修行に明け暮れる出船亭志ん田。師匠の娘・夕美に恋心を抱く志ん田だが、彼女からはいつもイジられっぱなしで、一向にうだつがあがらない。そんなある日、志ん田はかつて一門に在籍していた志ん魚を捜してほしいと師匠から頼まれる。志ん魚の消息を求めて師匠の弟弟子・志ん水や昔の門下生たちを訪ね回った末、志ん田は志ん魚を見つけ出すが、いまや彼は落語の道とは無縁の生活を送っていた…。